Inkscape

InkscapeWindows 版

Inkscapeは、SVGを標準のファイル形式とする、Windows・macOS・Linux向けの無料・オープンソースのベクター画像編集ソフトです。

バージョン: 1.4.4
編集部評価 5/5

概要一覧

開発元Inkscape Project
バージョン1.4.4
ライセンスOpen source (GPL-2.0)
対応 OSWindows, macOS, Linux
表示言語英語, 韓国語, 日本語, ドイツ語, フランス語
ファイルサイズ113.0 MB
広告・同梱ソフトなし
最終更新2026-11-05

概要

Inkscape

Inkscapeは、Inkscape ProjectがGPLライセンスで開発している無料・オープンソースのベクター画像編集ソフトです。ベクター画像は、図形を数式で定義された点、線、曲線として記録するため、どれだけ拡大しても輪郭がぼやけません。さまざまなサイズで使うロゴやアイコンに最適です。InkscapeはWeb標準のベクター形式SVG(Scalable Vector Graphics)で保存し、Windows、macOS、Linuxで同じ機能を使えます。現在の1.4.4は2026年5月に公開された保守版です。

Adobe Illustratorにお金をかけずにロゴ、アイコン、ポスター、図版、レーザーカット用のデータを作りたい人に向いており、サブスクリプションの負担が重い学生、非営利団体、小規模事業者には特に価値があります。ただし商業印刷向けのCMYK対応は限定的で、メニューやショートカットもIllustratorとは異なります。印刷中心の作業や、Adobeの形式のままファイルをやり取りするチームでは不便に感じるかもしれません。

主な機能

描画とノード編集

制御ハンドルで形を決めるベジェ曲線と、四角形、楕円、星などの図形ツールで描き、ノードツールでパスの各点と線分を細かく調整します。バージョン1.4.4では、星形と多角形をまっすぐ立てるボタンが加わりました。

シェイプビルダー

重なった図形の上をクリックやドラッグでなぞると、領域を結合したり削除したりして新しい図形を作れます。メニューから合体や差分を実行するよりはるかに直感的で、1.4からはビットマップ画像の切り抜きにも使えます。

フィルターギャラリー

1.4で導入されたフィルターギャラリーは、ぼかし、影、テクスチャなどのSVGフィルターをカテゴリ別にまとめ、プレビューと検索ができるようにしたものです。一覧から効果を選んでそのまま適用できます。

スウォッチ

スウォッチダイアログでは、ドロップダウンからパレットを選んだり色を検索したりできます。Adobe Color BookとAdobe Swatch Exchangeのファイルを読み込め、1.4.4では新しい標準パレットが加わりました。

読み込みと書き出し

SVGのほか、PDF、PNG、EPSなどに書き出せ、PDFの書き出しでは内部リンクも保たれます。1.4からはAffinity Designer(.afdesign)とCGMのファイルを読み込めますが、Affinityの読み込みは公式の形式仕様なしで作られたベストエフォートの実装です。

拡張機能

拡張機能ギャラリーでアドオンを簡単に探してインストールでき、コマンドラインで多数のファイルを一括変換することもできます。折りたたみ冊子やモジュラーグリッドなどの新しいテンプレートも含まれています。

評価

機能

描画、パス操作、フィルター、テキスト、複数ページの文書、幅広い読み込みと書き出しと、無料ソフトの中では最も広いベクター編集機能を備えています。商用ソフトと比べた主な不足は、CMYKの印刷ワークフローと一部の高度な文字組みです。

使いやすさ

インターフェースは日本語を含む多くの言語に翻訳され、チュートリアルも内蔵されていますが、ツールとダイアログの数が多く、覚えるには時間がかかります。Illustratorの利用者は、ショートカットとメニュー構成が異なるため慣れる期間が必要です。

安定性・安全性

オープンソースのプロジェクトで、広告、同梱ソフト、有料版への誘導はありません。保守は着実で、1.4.4では20件のクラッシュと25件以上のその他の不具合が修正されました。ただし公式の1.4リリースノートは、GTK4への移行準備によって、特にWindowsで動作が遅くなる場合があると注意しています。

長所・短所

長所

  • 無料のオープンソースで商用の作品にも使える
  • 標準形式のSVGがWeb制作と相性がよい
  • シェイプビルダーなど直感的なツール
  • Windows、macOS、Linuxで動く
  • 広告や同梱ソフトがなく定期的に更新

短所

  • 印刷向けのCMYK対応が限定的
  • Windowsでは複雑なファイルで動作が重くなることがある
  • メニューとショートカットがIllustratorと異なる
  • 64ビットのWindows 8.1以降が必要

代替ソフト

  • Adobe Illustrator — 業界標準のベクター編集ソフトで、CMYKの印刷作業やAdobeアプリとの連携に強いものの、サブスクリプションでしか使えません。
  • LibreOffice Draw — LibreOfficeに含まれる無料の作図ツールで、図表や簡単な図形は得意ですが、イラスト向けの機能ははるかに少なくなります。

動作環境

対応 OSWindows, macOS, Linux
必要環境Windows 8.1 or later (64-bit)

よくある質問

Inkscapeは商用利用できますか?

はい、できます。InkscapeはGPLの無料・オープンソースソフトで、作った作品の権利は商用のプロジェクトを含めて作者のものです。

Inkscapeは日本語に対応していますか?

はい、インターフェースは日本語を含む多くの言語に翻訳されています。

Inkscapeで画像をベクターに変換できますか?

はい、パスメニューの「ビットマップのトレース」でPNGやJPGの画像をベクターのパスに変換できます。輪郭がはっきりして色数の少ないロゴやスキャン画像ほどきれいに変換できます。

InkscapeはWindows 7で使えますか?

最新の1.4系は使えません。Windows版には64ビットのWindows 8.1以降が必要で、1.4.4からはARM版Windows向けのインストーラーも用意されています。

Inkscapeで作ったファイルはIllustratorで開けますか?

はい、開けます。Inkscapeの標準形式であるSVGか、PDFで保存すれば、Illustratorをはじめほとんどのグラフィックソフトで読み込めます。

総評

Inkscapeは、有料のサブスクリプションなしでロゴ、アイコン、イラストを作りたい人に最初に勧められる無料のベクター画像編集ソフトです。幅広い編集機能、SVGを軸にした開かれた設計、3つのOSへの対応、着実な保守を評価し、編集部評価は5点満点中5点としました。

編集部評価 5/5